おすすめしたいのは、朝の散策です。石塀小路は人影もまばらな中、箒の音や挨拶が聞こえてきます。高台寺は眺望も見事。破風屋根ごしに空を見上げれば、1日が爽やかに始まります。境内ではお茶や禅の体験も(要予約)。
「清水の舞台」で知られる清水寺は、人気の観光スポットです。昼間は大勢の人で賑わっていますが、訪れるなら早朝をおすすめします。境内は静寂に包まれ、地元の方が清めの水を汲みに訪れる姿がちらほらと。京都の日常を感じられる、爽やかな時間となることでしょう。
京都の五花街の1つ祇園甲部の中心、花見小路通は、夜中に歩くのもなかなか良いものです。昼間の喧騒が嘘のように、夜の道は静まりかえり、舞妓さんが時折通り過ぎてゆきます。北へ向かい、白川を訪れるのも風情があります。柳の木が川面に映り、せせらぎの音も耳に心地よく響きます。
そわかのすぐ近くにあるのが、7月の祇園祭で知られる「八坂さん」。鉾が優雅にまちを巡ったあと、神輿がすべての災厄を拾い集めて取り除きます。祇園祭以外にも節分に初桜能、七夕、観月と、毎月のように祭礼がおこなわれ、地元京都の人々に親しまれています。
「けんねんさん」の名で親しまれているこの寺の境内は、近所の人々の生活路でもあります。そのため24時間解放されていて、夜間も散策が可能。祇園で遊んだ後の酔い覚ましにはうってつけです。また本山のほか、両足院など山内の寺では座禅体験ができ、特に夏の朝の座禅は身も心も洗われる心地が味わえます。
少し足を伸ばして、「おいなりさん」の総本宮、伏見稲荷大社へ。朱色の鳥居が並ぶ千本鳥居は印象的で、カメラを構える人も大勢。「朱」は赤や明にも通じ、つまりは明るい希望を表すことば。稲荷大神が司る、生命、大地、生産の力を表す色でもあります。